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声の録音からエコーと部屋の残響を除去する方法

声の録音に入る「エコー」のほとんどは、部屋の残響です。声が硬い壁や床、天井に反射し、直接音より少し遅れてマイクに届くものです。録音後にこれを取り除くには、残響除去(ディリバーブ)のツールが必要です。オーディオ修復スイートに含まれる専用の残響除去エフェクトか、残響のない声を復元するよう学習した音声強調モデルのどちらかです。一般的なノイズ除去やEQでは、ほとんど効果がありません。残響は声そのものからできているからです。

MacでSomunoを使う場合、手順は簡単です。ファイルを追加し、「開始」をクリックして、比較するだけです。残響と背景ノイズは1回の処理でまとめて除去されます。このガイドではこのあと、残響の除去が難しい理由、どのツールでも使える結果の判断方法、そして残響を元から防ぐ方法を説明します。

エコーか、残響か?

この2つの言葉は混同されがちですが、自分が聞いているのがどちらなのかを知っておくと役に立ちます。

「響いている」と言われる録音のほとんどは、実際には残響によるもので、以下で紹介するツールはどちらにも対応します。ただし例外が1つあります。ビデオ通話中に自分の声が返ってくるエコーはライブの問題で、通話アプリがリアルタイムで消す必要があります。Somunoは録音済みのファイルを処理するので、通話の録音を後からクリーンアップすることはできますが、通話そのものには使えません。

ノイズ除去で残響が取れない理由

背景ノイズは、声の下にある別の音です。一方、残響は声が遅れて届いたコピーで、時間的にも音の高さの面でも次の音節と重なります。そのため、よくある手法はあまり効きません。

効果があるのは、その目的のために作られた処理です。部屋で音がどう減衰するかをモデル化する残響除去エフェクトや、残響のある音声とクリーンな音声のペアで学習し、ドライな声を予測できるようになった音声強調モデルです。

聴いてみる:響きの大きい広い部屋での話し声

この講演は、残響の大きい広い部屋で、離れた位置から録音したものです。Somunoの初期設定で処理し、どちらのバージョンもラウドネスをそろえてあります。再生ボタンを押し、再生中に「オリジナル」と「補正後」を切り替えてみてください。

残響の大きい部屋での話し声

響きの大きい広い部屋で、離れた位置から収録した講演です。

オリジナルの録音のスペクトログラム Somunoで処理した後の録音のスペクトログラム オリジナル補正後

オリジナル

Somunoで補正後

スペクトログラムを見ると違いがわかります。オリジナルでは、一定のノイズの上で、各音節がにじんで次の音節へと尾を引いています。Somunoで処理した後は、音節が暗いすき間で区切られた縦の線になり、残響の尾は消えています。

Somunoで音声のエコーを除去する方法

Somunoは、お使いのMac上で動作するAI音声強調モデルを使います。部屋の残響は、このモデルがまとめて対処する複数の劣化の1つなので、残響除去のための設定を別に探す必要はありません。

図:背景ノイズ、部屋の残響、クリッピング、高域の欠落、コーデックによる劣化、音切れがすべて1つのモデルに入り、クリアな音声が出力される
1つのモデルで、ノイズやその他の劣化と一緒に残響も除去します。
空の状態のSomunoのウインドウ。「オーディオやビデオをここにドロップ」と書かれたドロップ領域、「ファイルを選択」ボタン、WAVからMOVまでの対応フォーマットの一覧がある
まず、響いている録音をウインドウにドロップします。
  1. 録音をSomunoのウインドウにドラッグするか、ファイル › ファイルを追加…(⌘O)を選びます。オーディオファイルにも、MP4、MOV、M4Vのビデオにも対応しています。
  2. ツールバーでは汎用モデルのままにするか、観客の笑い声を残したい場合は笑い声を残すを選びます。
  3. 速度を設定します。高速は10秒単位、高品質は半分ずつ重なる5秒単位で処理します。大切な録音は「高品質」でも処理して、2つを比べてみてください。
  4. 開始をクリックします。結果は元のファイルと同じ場所に、名前に「-enhanced」を付けて保存されます。別の場所に保存するには、Somuno › 設定…を開いて保存先を変更します。
  5. 処理が終わったファイルをダブルクリックして比較を開きます。スペースキーで再生し、AキーとBキーでオリジナルと補正後を切り替えます。
Somunoの比較シート。オリジナルの波形が補正後の波形の上にあり、補正後の波形ではフレーズの間が平らで静かになっている。下には「A · オリジナル」「B · 補正後」ボタンがある
録音の再生中にAとBで切り替えると、何が除去されたのかを正確に聴き取れます。

どの程度の効果が期待できるか

どの残響除去ツールでも、効果を主に左右するのは、話し手とマイクの距離と、部屋の響きの長さです。

Somunoは音声用に作られています。音楽や声以外の音は除去したり歪ませたりするため、歌や合唱の残響を取り除くことはできません。

録音時にエコーを防ぐには

残響は、除去するよりも防ぐほうがはるかに簡単です。何で録音する場合でも、次の習慣が役立ちます。

ほかのツールが向いている場合

Somunoで効き具合を調整できるのは、結果とオリジナルを混ぜる「強さ」だけです。どの周波数でどれだけ残響を除去するかを帯域ごとに調整する項目はありません。オーディオのポストプロダクションでそうした細かな調整が必要なら、専用の残響除去モジュールを備えたオーディオ修復スイートで、スライダーやスペクトル編集を使えます。編集ソフトやDAWの中でプラグインとして残響を除去したい場合も、Somunoは適していません。Somunoはファイルを処理する単体のアプリです。また、Appleシリコン搭載のMacが必要です。選択肢を並べて比較するには、エコー除去ツールをご覧ください。

残響だけが問題ということはめったにありません。録音にノイズも入っている場合は、Macで音声の背景ノイズを除去する方法をご覧ください。電話の録音や古いテープで、音がこもっていたり歪んでいたりもする場合は、こもった声、音割れ、低音質の録音を修復する方法をご覧ください。Somunoは無料で試せます。無料版は各ファイルの最初の60秒を補正します。ほかのサンプルを聴くか、価格をご確認ください。

よくある質問

録音からエコーを完全に除去できますか?

多くの場合、大部分は除去できますが、必ずしもすべてではありません。マイクが近いほど、結果は自然になります。大きなホールで遠くから録音した声には直接音がほとんど残っていないため、どのツールでも推測に頼る部分が多くなります。

ZoomやTeamsの録音からエコーを除去できますか?

はい、ファイルになっていれば可能です。Somunoは保存された録音を処理できます。音声をリアルタイムで処理するわけではないため、ライブの通話中にエコーを除去することはできません。

残響を除去すると、声の聞こえ方は変わりますか?

声がより近く、ドライに聞こえるようになります。それが意図した結果です。声が細く聞こえたりロボットのように聞こえたりする場合は、「高品質」を試すか、設定で「強さ」を下げて元の部屋の響きを少し残してください。ヘッドホンでオリジナルと比べてみましょう。残響が強すぎて、きれいに復元できない録音もあります。

動画の音声にも使えますか?

はい。MP4、MOV、M4Vファイルでは、Somunoはサウンドトラックだけを補正し、映像はそのままコピーします。動画の音声をクリーンアップする方法をご覧ください。